ケージは安定している場所へ設置します。
フクロモモンガはケージを縦横無尽に飛び跳ねるため、小さな体に似合わずそれなりに大きな音がします。
運動に伴う振動も小さくないので安定した場所へ置きましょう。
また、野生下では高所へ巣を設けるということですので、人間の生活目線より低いところは好ましくないと考えられます。
環境としては夜行性とはいえ常時真っ暗である必要はありません。
昼間は直射日光が当たらなければ明るくても問題ありません。
ただし、巣箱やポーチは暗く外光から遮断できるような環境となるようにしてください。
お手入れと温度管理のしやすさを考慮すると、ケージが丸ごと入るような棚にケージを丸ごと入れるのがお勧めです。
植木における温室ほどの密閉性はいりませんので、直接日光や外光が入らないこと、ケージ奥の上面あたりが暗くなることを考慮する程度で十分です。
SUPER MOMONGARでは木枠とコンパネで組んだ棚にケージを入れています。
上面には暖突というヒーターを熱帯魚用のサーモスタットへ接続し設置、ケージ横にはうさ暖のようなパネルヒーターをいくつか取り付けています。
次にお手入れのしやすい環境づくりについて記載します。
初めてフクロモモンガを飼うと驚くかもしれませんが、食事のとり方がとても行儀悪いです。
餌をかじってはぺっぺとかすを吐き出し、そこらじゅうに飛び散らかせてしまいます。
そのためケージを置いた周囲には食べかすが巻き散らかされることになるのです。
対策としてはすべて囲ってしまうのがてっとり早いので、SUPR MOMONGARでは背面と横面はプラダンというプラスティック製のダンボールで囲っています。
これはホームセンター等で簡単で安価に入手でき、またはさみやカッターで簡単に加工できるので便利です。
他にも試してみて良かったものにポリプロピレンシートがあります。
こちらは齧られても穴が開いたりしませんので交換時期が来たら順番に変えていきたいと考えています。
ほかにもテーブル用の透明なビニールシートも良いと聞きますし、ケージメーカーがオプションで販売している物はそれに近そうです。
園芸用の温室シートも形状があえば使えるかもしれませんね。
取り付けですが、タイラップでケージに縛るだけで十分です。
また、プラダンをケージに取り付ける前に、ケージ組み立ての境目をがっちりと縛り上げるとフクモモが飛び回ってケージに飛びついた際に起こる音と振動を多少抑えることができるのでおススメです。
ただ、個体によっては(うちではすべてですが…)プラダンをかじりますので消耗してきたら交換が必要になります。
前面はカバーしていませんが食い散らかしがすべての面に広がるよりも大分マシだと割り切っています。
アクリルやガラス製の扉のようなものをケージ前面に付ければさらに良くなりそうですが、餌やりやコミュニケーションの妨げになるのでちょうどいい落としどころを探ってください。
ケージの下には床材を敷きましょう。
これは飼い主それぞれのこだわり等もありベストもそれぞれと言ったところでしょう。
当店ではペットシーツを使用していますが、猫砂や新聞紙、ウッドチップ、コーンリター等々さまざまで。
中にはふん切網(ケージ一番下の床部分の網です)を使わない方もいらっしゃるようです。
個体によってはペットシーツに手を伸ばして引っ張り上げてしまうことがあるので、100円ショップのバーベキュー網等をシーツに乗せてあげるといたずら防止になりますよ。
ウッドチップ等を使用する場合には手に取ってかじっても問題ないような材質のものを使用しましょう。
消臭効果のあるものを使用する際は香料が含まれていないものを使用してください。
飼い主の考え方もあるとは思いますが、犬猫用品の中には花やせっけんの香りがつけてあるものが市販されていて驚きます。
日本の夏を乗り切るにはクーラーしかありません。
真夏になれば基本的には24時間つけっぱなしになるので電気代の覚悟は必要です。
ただ、やたらとガンガン冷やす必要はありません。
ケージ内が 30℃を超えないようにするには 28℃設定位で十分の場合がほとんどです。
人間には少し暑いかな?くらいでも部屋は冷えている場合があるので温度計を複数設置してよく管理しましょう。
扇風機を併用するなどの工夫も効果的ですよ。
また、フクモモは長生きな動物です。
場合によってはエアコンを買い替えてしまった方が数年単位で見ると安上がりかもしれませんので、エアコンの諸元表等で冷房時の電気代を確認しておきましょう。
冬の場合は環境によりけりです。
上記に記載したようにケージ用の加温設備だけで足りる場合もあるでしょう。
もし不足しそうであればエアコンやストーブを併用します。
ケージ全体を毛布等で断熱してあげてもいいですが、加温過剰にならないよう注意してください。
ヒーターのおススメは前述しましたが暖突がいいと思います。
ケージ上面に設置するのでポーチの近くを暖かくできます。
サーモスタットのセンサー部を取り付ける箇所にもよりますが、ポーチ付近が 25℃を切るくらいで作動するようにしておけば問題ありません。
大は小を兼ねますので、これから購入のであればロングか Lサイズがいいと思います。
本来は爬虫類等に使用するものなのでケージ内に吊り下げて固定するようになっているのですが、フクロモモンガで使用する場合は直接つかまったりかじったりしますのでやけどや誤飲の恐れがあります。
そのため当店の飼育ケージでは 100円ショップの小型バーベキュー網に取り付けてからケージへ乗せることで問題を回避しています。
他に似たようなもので、ケージ横へ取り付けるタイプのバードヒーターも良さそうですが、実際に使用していないので詳細はわかりません。
当店では補助用にうさ暖という小動物用パネルヒーターをケージ横へ括り付けて使用していたこともありました。
フクロモモンガは匂いに敏感な動物と言われています。
オスの場合は一匹で飼っていてもそこらじゅうに体をこすりつけますし、多頭飼いすればお互いに擦り付けあっているようです。
そのためケージ丸洗いはしない方が好ましいのではないかと考えています。
ケージ内外はお湯拭きしポーチ類はぬるま湯で揉み洗いする程度で十分です。
汚れてきて洗おうと思う前には洗い替えのポーチを入れておいて 2つを交互に使用するようにすると良いでしょう。
排泄物や食い散らかしで汚れてしまう下部トレイや、糞尿のつきやすい回し車はしっかりと洗います。
給水ボトルは良く濯ぎ飲み口もしっかり水洗いします。
餌入れは数日おき程度でいいので熱湯をかけて煮沸消毒しましょう。
いずれも洗剤や消毒液等は使用しません。